メッセージ

MESSAGE
 昨今、地方公共団体(自治体)が所有する不動産は、様々な活用方法により利用されています。数年前まで未利用地を売却していた多くの自治体は、改めて他事例を参考に利活用しようにも、すでに手放しているため手持ちの不動産が無い状態になっています。また、「土地」と「お金」を交換しただけの売却は、そのお金すら現状では残らず、せいぜい、借金が減ったくらいにしか「土地」が使われていないという状況です。
 複式簿記の導入により会計処理を行わなければならなくなった自治体は、今、やっと不動産を行政経営資本として見直し、地域の公益に寄与する経済効果を目指した活用をスタートさせています。例えば、自治体所有の土地には、「定期借地権」を設定し、毎年の借地料を受け取るとともに、土地の上には地域のまちづくりを考えた民間運営サービスを実現させています。実例としては、旧学校だった広い土地に定期借地権を設定し、毎年、数千万を受け取り、土地の上には高齢者福祉サービスや定住促進につながる住宅やスポーツクラブ、さらには都市公園や保育所まで整備されています。売却の場合は、いくら条件付きで売却したとしても、購入した法人等の経営状況により、さらに転売される可能性も否定できないのです。これまで自治体が所有していた土地が、地域住民の望まない土地に変貌することになります。
 自治体は、PPP/PFIなどと言っている場合ではありません。官民連携を検討する前に、しっかりとその地域の未来に何が必要かを考えることが重要なのです。自治体は、土地や建物の公共不動産とソフトサービスとを行政の経営資産として捉え、単なる施設整備に着眼した「点」整備での検討ではなく、地域を俯瞰的にとらえた「面」での演出が必要であり、自治体職員全員が地域の演出家として魅力的な未来の空間形成を演出し続けていくことが公的不動産を活かす近道なのではないでしょうか。

株式会社GPMO 取締役副社長 天米一志

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